新着情報 News
公開研究会の開催
2010年12月7日
下記の要領で公開研究会を開催いたします。
- 講師:クンガ(kun dga')先生(青海民族大学教授、西蔵文献研究班嘱託研究員、博士)
- テーマ:ミラレーパ研究の価値
- 日時:2010年12月14日(火)午後6時〜午後7時30分(予定)
- 場所:大谷大学響流館3Fマルチメディア演習室
- 講演は日本語でおこなわれます。
- クンガ先生の専門はチベット古典文学。特にミラレーパの伝記を 中心に研究を進めてらっしゃいます。西北民族大学に提出された 博士論文のテーマもミラレーパに関するものでした。今回の講演では 研究の中で先生が実際に訪れたミラレーパゆかりの地の写真なども ご覧頂けるのではないかと思います。
2010年1月16日
下記の要領で公開研究会を開催いたします。
- 日時:2010年1月26日(火)午後5時15分〜午後7時(予定)
- 場所:大谷大学響流館3Fマルチメディア演習室
- 発表者および発表題目・概要
- 村上徳樹「シャーキャチョクデンの自己認識解釈」
後伝期チベットにおける自己認識解釈史を俯瞰した時、ツォンカパが活躍した時代頃から、自己認識をいかに解釈するかが大きな課題となってきている。発表者はこれまで、ツォンカパの高弟ケードゥプジェによる自己認識解釈を主として研究し、ゲルク派による自己認識解釈を検討してきた。本発表ではゲルク派と対立したサキャ派のシャーキャチョクデンによる自己認識解釈を検討し、彼が自己認識をどう理解しているか、また、ゲルク派との解釈の相違点がどこにあったのかを考察したい。 - 野村正次郎「ツォンカパの空思想における実体と真実」
チベット仏教のゲルク派の宗祖ジェ・ツォンカパ・ロサンタクパ(1357-1419)の空思想の最大の特色は、インド仏教由来の様々な学派で議論されてきた諸問題を解釈する過程において、原理的に通用可能な基礎理論を構築した点にある。その理論はチベット仏教の空思想における最もメジャーなフレームワークとして現在も継続している。特にインド由来の仏教における「実体/仮設」(rdzas/btags)「真実/虚偽」(bden/brdzun)の問題は極めて重要である。本研究発表では、ツォンカパが描き出そうとした実体と真実という術語を巡る諸原則を整理し、それらによって彼が一体如何なる事象を描こうとしたのか、ということを考えてみたい。
どうぞお気軽におこしください。
電子テキストの公開
2009年10月31日
Otani Tibetan E-Textsの項にチベット語訳『大唐西域記』、『シェン・ニマ伝』の電子テキストを公開しました。
チベット語訳『大唐西域記』は、18世紀の翻訳師クン・ゴンポキャプ(གུང་མགོན་པོ་སྐྱབས་)によって翻訳されたものです。大谷大学図書館に所蔵されている写本を底本に入力しました。
『シェン・ニマ伝』は、14世紀末から15世紀初めに活躍したポン教僧の伝記です。ポン教の「カテン集成」に所収されているものを底本に入力しました。
メール・マガジンを発行します
2009年9月12日
メール・マガジンを発行します。研究班の活動報告、公開研究会のお知らせ、データ・ベースの紹介、チベット研究の最新情報の発信など内容は盛りだくさん! 毎月発行予定。第1号は今月末配信予定! 講読ご希望の方は、本研究班(twrp@otani.ac.jp)までメールにてご連絡を。お名前、メール・アドレス、興味のある分野をお知らせください。
北京・青海出張報告
2009年9月5日
去る8月5日から25日までの間、研究員・三宅が調査研究のため北京および青海に出張いたしました。その報告を順次してゆきます。
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| 中国蔵学研究中心での講演会(8/7) |
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| 右1人目:三宅、2人目:ダムドゥル氏 |
8月7日、中国蔵学研究中心にて「རི་པིན་ལ་བོད་རིག་པའི་བྱུང་ཚུལ་དང་ཨཱོ་ཐ་ནི་གཙུག་ལག་སློབ་ཆེན་(日本におけるチベット学の誕生と大谷大学)」との講題でチベット語にて講演をおこないました。日本においてチベットに対する関心がどのようにして生まれ、それが学問としてどのように成立したのか、また、そこに大谷大学はどのように貢献し、今どのような役割を果たしているのかを、寺本婉雅を中心として山口益、稲葉正就といった人々の事績・業績を紹介しながら話しました。中国蔵学研究中心宗教研究所所長ダムドゥル氏がチベット語から中国語への通訳および司会を努めてくださいました。
公開研究会報告
2009年7月16日
去る7月14日17時50分より大谷大学響流館3階マルチメディア演習室にて、中国蔵学研究中心宗教研究所所長ダムドゥル氏を講師にお招きして、「チベット仏教学の未来」をテーマに公開研究会を開催しました。
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| 中央:講師・ダムドゥル氏、右:司会・福田洋一教授、左:通訳・三宅 |
講師のダムドゥル氏は、北京の中国藏学研究中心で20余年もの間チベット仏教の研究に携わってきた方で、ウイーンへの留学や国際学会での研究発表経験もあり、まさに、これからのチベット仏教研究を世界的にリードする研究者と言っても過言ではない方です。
氏と本研究班との間には長い親交があります。そのきっかけは、氏が現在本研究班の嘱託研究員で大谷大学名誉教授であるツルティム・ケサン先生の知遇を得て、後、ツルティム・ケサン先生を指導教員として、大谷大学真宗総合研究所に客員研究員として2002年12月〜2003年3月まで滞在されたことでした。以来、本研究班は氏と交流を重ねてきました。今回、龍谷大学が受け入れ機関となって、2009年4月〜7月末の予定で「アティシャ大師とチベット仏教の道次第理論」との課題で研究をおこなうため来日され、本研究班を度々訪問いただき、そうした中から今回のような公開研究会が実現したのでした。
研究会ではまず、20年にわたりチベット仏教を研究してこられたダムドゥル氏が、これまでかかわってきた主要な研究プロジェクトとその成果を紹介した上で、チベット仏教学の未来に対する以下のような提言をなさいました。
- チベット仏教各宗派の宗義と顕密の文献を中心とする見解と定義などに対する研究に力を入れるべきこと。
- インドの原典と各言語訳を比較検討することが重要であるということ。
- 中国の社会について言えば、現代の宗教の情況を研究することはたいへん重要であるが、その際、必ず、基礎的研究(換言すれば歴史研究)との結合が重要であるということ。
- 伝統的な学問とともに、現代的研究方法(文献学、比較的手法)を用いることが重要であるということ。
- 内外の仏教研究組織、あるいは個人による共同研究と連絡に努めることが重要であるということ。
こうしたダムドゥル氏の提言を受けて、質疑応答の時間に入りました。質疑応答では、氏がかかわった研究プロジェクトで研究の対象となった寺院教育制度、とりわけ学位授与制度に対する質問、近年チベットで発見されたサンスクリット写本の研究にも、そうした写本を守ってきたチベット人が主体として取り組むべきではないかなどの意見が出され、盛況の内に会は終了しました。



