大谷大学所蔵『北京版西蔵大蔵経』

大谷チベット学の大きな核の1つは文献研究です。大谷大学図書館には、能海寛(1896-1901)や、大谷大学で教授をつとめ、長くチベット語を講じた寺本婉雅(1872-1940)らが将来した1330函にもわたる数多くのチベット語文献が所蔵されています。

とりわけ、寺本が1900年に将来した「北京版西蔵大蔵経」(カンギュル:1717-20/康煕56-59年、テンギュル:1724/雍正2年開版)に対する研究は、『甘殊爾勘同目録』(1930-1932)、『丹殊爾勘同目録』(1965-1997)の刊行など数多くの成果を生み出してきました。寺本の弟子で大谷大学教授を務めた山口益(1895-1976)は、インド大乗仏教研究におけるチベット語文献の必要性を説き、「仏教チベット学」を提唱しました。彼の監修のもと「北京版西蔵大蔵経」は1955-61年に、は鈴木学術財団から影印刊行され、世界のチベット学研究者たちを、おおいに裨益しました。

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