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端坊旧蔵 永正本 蓮如本(西本願寺蔵)


蓮如本(西本願寺蔵)
■序
■第一条
■第二条
■第三条
■第四条
■第五条
■第六条
■第七条
■第八条
■第九条
■第十条
■第十一条
■第十二条
■第十三条
■第十四条
■第十五条
■第十六条
■第十七条
■第十八条
■結語
■流罪記録
■奥書

一 親[*1]鸞は、父母の孝養のためとて、一返にても念佛まふしたること[*2]いまださふらはず。そのゆへは、一切の有情はみなもて世ゝ生ゝの父母兄弟なり。いづれもいづれも[*3]この順次生に佛になりてたすけさふらうべきなり。わがちからにてはげむ善にてもさふらはゞこそ、念佛を廻向して父母をもたすけさふらはめ。たゞ自力をすてゝ、いそぎさとりをひらきなば、六道・四生のあひだ、いづれの業苦にしづめりとも、神通方便をもて、まづ有縁を度すべきなりと[云ゝ]。
【注記】

*1
「鸞」を書きかけ鳥を山となずり訂記、さらに右に「鸞」と訂す
*2
右行間に「いまだ」三字を補記
*3
右行間に「この」二字を補記。
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