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端坊旧蔵 永正本 蓮如本(西本願寺蔵)


端坊旧蔵 永正本
■序
■第一条
■第二条
■第三条
■第四条
■第五条
■第六条
■第七条
■第八条
■第九条
■第十条
■第十一条
■第十二条
■第十三条
■第十四条
■第十五条
■第十六条
■第十七条
■第十八条
■結語
■流罪記録
■奥書

(表紙)
[*1]歎異鈔     端坊[共 十二]

(本文)
歎異抄
竊迴愚案 粗勘古今 歎異先師口伝之真信 思有後学相続之疑惑
幸不依有縁知識者 争得入易行一門哉 全以自見之覚語 莫乱他力之宗旨
仍故親鸞聖人御物語之趣 所留耳底 聊註之 偏為散同心行者之不審也[云々]


【 竊《ひそ》かに愚《ぐ》案《あん》を迴《めぐ》らして、粗《ほぼ》古《こ》今《こむ》を勘《かんが》ふるに、先《せん》師《し》の口《く》伝《でん》の真《しん》信《しん》に異《こと》なることを[*1]《なげ》き、後《こう》学《がく》相《さう》続《[*2]く》の疑《ぎ》惑《わく》有《あ》ることを思《おも》ふに、幸《さひはひ》に有《う》縁《えん》の知《ち》識《しき》に依《よ》らずば、争《いか》でか易《ゐ》行《ぎやう》の一《ゐち》門《もん》に入《い》ることを得《え》んや。全《また》く自《じ》見《けん》の覚《かく》[*3]《ご》を以《も》て他《た》力《りき》の宗《しゆ》旨《し》を[*4]《みだ》るること莫《なか》れ。仍《よ》て、故《こ》親《しん》鸞《らん》聖《しやう》人《にん》御《おん》物《もの》語《がたり》の趣《をもむき》、耳《みみ》の底《そこ》に[*5]《とど》むる所《ところ》、聊《いささか》之《これ》を[*6]《しる》す。偏《ひとへ》に同《どう》心《しむ》行《ぎやう》者《じや》の不《ふ》審《しん》を散《さん》ぜんが為《ため》なりと云々 】
【校訂】

*1
蓮如本 歎異抄一通  右下に「蓮如之」とあり

*1
「歎」の返点「レ」=蓮如本「二」
*2
底本一字虫喰。蓮如本により「ぞ」を補う
*3
「語」 =蓮如本「悟」
*4
「乱《みだ》るること」 =蓮如本「みだること」
*5
「留《とど》むる」 =別本「留《とど》まる」
*6
「註」=蓮如本「注」
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